掌で顔を覆い、襲ってくる黒い感情に飲み込まれそうになり息を深く吸い込んだ

小さく震える腕に固い物が当たった

小夜は自分の首元へ手を滑らせその小さなペンダントトップをそっとつまんだ

…ハル…そうだよね…
あなたを信じなくちゃ…
…ハルの手を離すなんて出来ない!
そうだ…あたしは…ハルと離れたくない!

指の中で深い藍色に輝く小さな石が、小夜の心に信じる気持ちを取り戻させてくれた

遥が"御守りに"とクリスマスにくれた小夜の誕生石である

…この手を…"ハルが"離すまであたしは一緒にいる…
そう決めたんだ
たとえ、環さんがハルのことを好きでもあたしはもっと好きだ…愛してる

遥がくれた御守りに口づけをして心の闇を追い出した