アイ・ラブ・おデブ【完結】

どのくらいの時間が経ったのだろうか…

誰もいないこの部屋で小夜は膝を抱えて椅子に座っていた

扉の向こうの祭壇には遥と環が白い婚礼衣装で並んでいるはずである

モデルの環はきっと輝く美貌で王子の腕に寄り添っている

もしかしたら環に優しい眼差しを遥が向けているかもしれない

幾度となく二人の神聖な儀式を想像しては懸命に打ち消す

仕事なんだと言い聞かせ、深呼吸をするがどうしても落ち着かない

…ちょっとだけならいいかな…
端っこにいれば邪魔にならないよね…

一人で悶々と過ごすことに耐えられなくなり、思いきって立ち上がった

足を止めれば、そのまま動けなくなってしまう気がしてドアを開け足早に進んだ

遥と入ってきた入り口の方へと向かう

突如パイプオルガンの音色が響き渡り、小夜の気持ちを震え上がらせた

…ひぃ~!ビックリした…
心臓が飛び出すかと思った…

悪いことをしているわけではないのに、自然と足音を消して忍び足で進んでいた