肺ガンが監督の体をむしばんでいる。 余命一年、それが医師からの宣告だった。 監督を辞めたのは責任から逃げ出したんじゃなかった。 体がボロボロで、とっくにドクターストップもかかっていた。 なのに俺たちに全国大会に出てほしいばかりに、身を削ってまで指導してくれていたんだ。 俺は勘違いしていたんだ。 監督のことをなにも分かっていなかった。 すみません… 俺、自分が情けない。 監督を全国に連れて行きたかった。