バスケと君。【完】

「じゃあ俺部室行くけど、優梨は行くか?」


「いい。教室行くもん。多分、郁もいるだろうし…」



金井郁(かないあや)は私の唯一の親友。
電車通学だから早い時間に着くわけ。



「そ?ならいいや。」



そう言って部室に向かって歩き始めた君。
前を向いたまま、ヒラヒラと手を振っている。

そんな君に向かって
見えてないのを良いことに君に向かって手を振った。




「あっ!そうだった。」


そう言ってクルッと私の方を向く。
ビクッとしてそのまま固まってしまった。




「テーピングとコールドスプレー無くなってきたから買っといて!部費はお前に預けとく。」



シュッと君から私の元へ届く茶色い封筒。