紅梅サドン

「秋さん本当ですか?。」

雪子が立ち上がり嬉しそうに言う。

「ありがとうございます、田辺さん!。」

冷静な次郎が目を輝かせる。

やはり子供には勝てない。次郎の輝いた子供らしい目が僕の判断を心から喜んでいる事が読み取れる。





「ーー秋ジイ、大好きい~!!。」

僕はその軽々しい声のする方に恐る恐る振り返る。

玄関のドアが開いて相変わらずデカいスポーツバックを携えたルノーが、新入生みたいにシャキリと立っていた。

「何だよお前いつからそこにいたんだよ!相変わらず気持ちワリイな。

ずっと玄関の外から聞き耳立ててやがったな!。」


「ドア開いてたからねえ、聞こえちゃった。次郎からメール貰ってさあ、秋ジイの部屋にいるって。」

ルノーの輝く爽やかな笑顔にうっすらとイライラした。

次郎はいつルノーにメールなどしたのだろう。全く気づいていなかった。