紅梅サドン

「ルノーを?いや、しかし、その、それはーー。」


「一週間でも構いません。

昼は部屋探しで兄も留守でしょうし、寝床さえお借りできれば結構なんです。

それにもし差し支えがあるならばーーー。」

瞬間的に次郎は今までより更にぐんと真顔になる。

その顔はどこか太陽を思わせて堂々と見える。

上司のごとく冷静で大人びた表情をたたえた次郎は再びハキハキと言った。


「お二人の夜をお邪魔せぬよう、兄には必ず『小一時間』くらい席を外させますので、御心配には及びません。」