紅梅サドン

「ルノーさん、弟さんと一緒に住む家を捜されてたんです。

次郎君がロンドンに行ってしまわれるまでの二か月の間。

そのたった二か月の間だけでも兄弟で過ごしたい。

その想い、凄く凄く痛いんですケドーー!」

大きめのアクションで泣き崩れる雪子をなだめながら、沈着冷静に次郎がそれに続けた。

『都内に住む遠縁にあたる親戚の家がある。自分と弟はそこでしばらくやっかいになるから』

「そう兄は施設の方々に言って出たそうなんです。

里親である父母が施設からその内容の電話を受けまして。

『ロンドンに行く事で十年もお兄さんに会えないなら』

と僕等が二か月の間だけ二人きりで住む事を快諾してくれたのです。」