紅梅サドン

雪子は何故かまだグズグズと泣いて鼻を噛んでいた。

傍らのティッシュが恐ろしく枚数を減らしている。

「ルノーはおとといの晩ここに泊まって、昨日出ていきました。

ルノーに何かあったんですか?。」

少年の小さな瞳がわずかに曇る。

少し下を向いてから少年は息をスウと吸って話し出した。

「僕と離れ離れになった後も、兄は青梅市の施設から通える高校にそのまま進学しました。

僕等は二人きりの兄弟ですから。

絆はずっと続いていて、兄は青梅市から電車に乗って、よく里親の目を盗んでは僕に会いにきてくれたんです。

よく僕に小遣いをくれました、内緒だぞって。」