僕は息を呑んだ。
昨日から気にかかっていた事。
雪子は箸をテーブルに置いて、僕を真っ直ぐに見据えた。
「私は福島から家を出てきました。
ご存知の通り、秋さんを紹介されてから家を解約したのではなく、まだ秋さんを知る前に、もう私には帰る家がありませんでした。
上野駅についてアテもなく歩いていた所で、マスリカさんに会いました。
マスリカさんが『紅梅エターナル』を経営されてる、あのお婆さんなのは本当に知りませんでしたけど。
家を出た理由はーー、それはーー。」
雪子は下を向く。
まだ雨粒の残る窓ガラスが風に揺らされて少し音を立てた。
昨日から気にかかっていた事。
雪子は箸をテーブルに置いて、僕を真っ直ぐに見据えた。
「私は福島から家を出てきました。
ご存知の通り、秋さんを紹介されてから家を解約したのではなく、まだ秋さんを知る前に、もう私には帰る家がありませんでした。
上野駅についてアテもなく歩いていた所で、マスリカさんに会いました。
マスリカさんが『紅梅エターナル』を経営されてる、あのお婆さんなのは本当に知りませんでしたけど。
家を出た理由はーー、それはーー。」
雪子は下を向く。
まだ雨粒の残る窓ガラスが風に揺らされて少し音を立てた。
