紅梅サドン

家に着く頃、雨は殆ど気にならなくなっていた。

『スケベ』『やる気満々』等のルノーが吐いた単純明快な今朝の嫌みが思い起こされる。

ルノーは出て行っただろうか。きっちりしてそうな雪子の事だから、きちんと追い出している気もする。

しかし雪子はどうも猪突猛進的に情に脆い所もある気もする。

玄関のドアを開けるとルノーの靴は無かった。

安堵感からか僕は自ら進んで弾む様に声を出してしまった。

「雪子さんただいま!。」