紅梅サドン

「雪子さあ、それなら俺でも当てられるよお。

美人だけど天然なんだねえ、バカ素直っていうかさあ。」

ルノーはプカプカと煙を吐き出しながら雪子にそうつぶやいた。

ルノーにそう言われても雪子は貝のごとく黙っていた。

「マスリカさん、いや村田婆さんの占いって、“大抵の人に当てはまる”っていう古典的な手法だよ。

詐欺の風上にも置けないなあ。まあ詐欺とは違うか。

目の前通る奴みんなに声かけて未婚だとわかったら、俺や雪子に言ってた事とまるっきり同じ御告げしてたんだろね。

まあ、良く言えば営業活動の一貫ってやつだねえ。」

ルノーの言う通りだった。古典的な手法に素直すぎる雪子は信じ込んでしまったのか。

しかし僕は村田婆さんが作った子供騙しの占いに、ひとつだけ府に落ちない言葉があった。