紅梅サドン

何故か雪子は立ち上がり、ピンポン玉が弾む様な雨音の響く窓に立ち外を見ていた。

「嘘です。だってマスリカさんは、初対面の私の事、何でもズバリ当てたんですよ。

マスリカさんは本物の占い師です。」

僕とルノーに背を向けたまま雪子はつぶやいた。

雪子の地平線みたいに真っ直ぐな凜とした背筋が、落ちてくる雨粒と平行になって窓ガラスに写り込んでいた。

「雪子さあ、マスリカを装った村田婆さんに何を当てられたの?。」

そう雪子に問いかけると、ルノーは平然とテーブルにあった僕のマルボロに手を伸ばし、しっかりとライターも手にした。