紅梅サドン

「潰れたってーー、そんな急に。

まあ潰れてもおかしくは無いと思ってたけど。

破産て事はーー。」

そうつぶやいた僕の横を通り抜け、ルノーは冷蔵庫の方へと軽い足取りで向かう。

「雪子さん、留守電て、他に何か言ってた?

会員の救済の事とかさ、これからの流れみたいなさ。」

雪子は寂しそうに首を横に振った。

少し開けてある窓から、輪郭のはっきりしない春月が雲に隠れていく姿がちょうど見えた。

夜風が通り抜け、雪子の後ろで紺色のカーテンがやんわりと揺れている。