紅梅サドン

「ああ良かったな。」

僕はそう矢萩にポツリと答えた。


「お前、今日恐ろしく元気ねえな。

お前が作成した企画書で勝ったと言っても過言じゃねえんだぞ。

出世しちまうんじゃないか?。」

「矢萩のプレゼンの進め方が上手くて、先方に熱意が伝わったんだろ。」

「俺はいつも通りのテンションで進めただけだ。」


矢萩が助手席の僕をチラリと横目で見た気がした。