紅梅サドン

矢萩は黙っていた。

僕は水滴に囲まれたグラスを見つめる。

雇われだが真澄が店を持てた。

それは喜ぶべき事だーー。

しかし、可笑しな話だ。

何故、共同経営するイギリス人と付き合わなければならないのだ?

仕事と恋愛は別な筈だ。

真澄は夢を叶えるため、イギリスに立ったのだ。

僕と別れてまで夢を追いかけたのにーー何だ。

結局、夢が叶ったら次は男なのかーー。

僕の頭の中は、最悪で最低な思考に張り巡らされていた。