紅梅サドン

「ーー雪ちゃん、ちゃんと戻って来るかなあ。」

次郎が寂しそうにつぶやく。

ルノーが溜め息をゆっくりと吐く。

僕は天井を静かに見上げる。


きっと僕達三人は同じ事を考えている。

福島に向かった雪子の事をずっと思っている。

この部屋に雪子の姿がない事に、僕達は心にも体にも違和感を感じる。


「ーー帰ってくるよきっと。

待とう。三人で雪子さんの帰りをさ。」

雪子を案じながら横に仲良く並ぶ僕達はまるで、母親の帰りを待つ子供達みたいだ。

ジグゾーパズルの無くなったピースを探す様に、僕は玄関を出て行った雪子の後ろ姿を思い出していた。