紅梅サドン

「おい、次郎ーー。

お前さ……このままずっとこの家にいてもーー構わないぞ」


次郎は左側に座る僕を一瞬見つめた。

ルノーは右側に座る僕を一瞬見つめた。

両側から視線を感じて、僕は何だか気恥ずかしくなって下を向いてしまった。


「ーー田辺君も、たまには優しい事言うね。

やだよ、こんな狭い部屋。

クーラーも壊れかけてんのにさあ!。」

そう言って次郎は僕に笑う。

「この二重人格のクソガキめ。

でもーーーーホントだぞ。

いいんだぞ、俺は別にさ。」


次郎は僕と同じように下を向いた。

そして、

「ありがと田辺君」と小さな声で次郎は答えた。