紅梅サドン

恋人の夢を応援するために、自分が身を引いたなんて。

恋人同士では、よくある話なのかもしれないーー。


しかし、僕は全くそれとは違う。

身を引いたなんて、そんな格好のいい話ではない。

そんな綺麗事では無かった。

僕はイギリス行きを決めた真澄に、人間として最低な態度を取り続けた。

イライラして真澄に当たり、嫌みを言い、話し合う事さえしなかった。

何年も真澄と離れなければならない、寂しい僕の気持ちを悟られたくなくて。

僕の可笑しなプライドを真澄に振りかざして。

そんな僕を見て悲しい顔をする真澄に、僕は毎日イライラして。

そしてそんな情けない自分を、僕自身が一番受け入れる事が出来なくて。