紅梅サドン

ラガーマンは人目もはばからず、身に付けた白いラルフローレンのシャツを濡らして、泣き続けている。

そんなラガーマン旦那を真っ正面に見据たまま、雪子は続けた。

「貴方は私と結婚してからも変わらず、沢山の女性と関係を持ち、私との家には殆ど帰って来なかった。

でも私はそれでも良いと思ってたの。

自分が貴方を愛してるならーーそれだけで幸せだから、良いんだってーー。

あなたへのポツンと空いた寂しい心も、それに耐える事も、『愛情』なんだと勘違いしてた。

でも違う。

私には感情がある。

怒ったり、泣いたり、わめいたり、叫んだり、悩んだり、笑ったりーー。

そんな日々の感情をぶつけ合わなければ人は絶対分かり合えない。

短い間かも知れないけれど、ここに住んでから、沢山の『突然』があった。

秋さん達と一緒に過ごす、そんな毎日が本当に楽しくて。

いつまでも帰らないあなたを待っていた私とは、今は違うのーー。