紅梅サドン

「ーー秋さん。
ごめんなさい。

来ちゃったんです。

今朝早くに、私の携帯に電話がありまして。

東京駅に居るから、迎えに来てくれーーと。

こんな筈じゃ無かったのですがーー。」

もぞもぞと口ごもる雪子の後ろに、大樹の様な大きな影が見える。

その大きな影は、立ち上る陽炎みたいに揺れながら、僕達の立つ玄関の前に現れた。


焼け付く太陽に照らされた、その大男の姿はーー、

完全に、
完璧に、
鉄板で、

誰が見ても、
どうしたってーー、間違い無く。



雪子の旦那だった。