紅梅サドン

「お前ーーこの道具の種類を見る限り、完全に殺人犯の買い物じゃねえか。

さすがにバットは置いてけよ。物騒だろこんなモノーー。」


ルノーは酢豚を飲み込むと、ビールに手を伸ばしグイグイと飲み干して、つぶやいた。

「何かねえ、そのラガーマン旦那ーーー

選手として『花園』にも出場した事あるらしいよーー。

かなりの大男らしいーー。」

酢豚の温かで酸っぱい匂いが、鼻を否応なく刺激する。



「バットーーーー。やっぱり持って行こうか?」

多分使わないけどなと念を押した後、僕は紺色のネクタイを乱暴に取り外した。

そして大好物なはずの酢豚を、半ばヤケクソ気味に口一杯に頬張った。



しかし次の日。

花園にまで行ったそのラガーマン旦那が福島から直接、この部屋にやって来る事などーーーーー。

雪子も含め、僕達は全く知るよしも無かった。