襖越しに、雪子の規則性のある寝息が聞こえる。
急に僕は一年前、最後にこの部屋から出て行く時に見た真澄の小さな背中を思い出していた。
緑色の傘を差して部屋を出て行く真澄に、何も言わなかった僕の言葉が今頃になって届き、真澄が今度は真っ赤な傘を差して笑顔で戻ってくる夢を見た。
『ーー何よ、今頃。あの時に言ってくれれば良かったのに』
真澄はそう言って『今日は秋の好きな豆腐サラダ作ってあげる』などと笑う。
『豆腐サラダは料理じゃないだろ』
僕は微笑む。
今までそんな夢を見ようと思っても見れなかったのに。
どうしても不思議で仕方が無かった。
そして何とか部屋に雪子を入れるのを拒否しようと思えば出来たのに、何故に結果招き入れてしまったのか。
そんな僕の脳内装置が、自分でもよく理解出来ずにいた。
急に僕は一年前、最後にこの部屋から出て行く時に見た真澄の小さな背中を思い出していた。
緑色の傘を差して部屋を出て行く真澄に、何も言わなかった僕の言葉が今頃になって届き、真澄が今度は真っ赤な傘を差して笑顔で戻ってくる夢を見た。
『ーー何よ、今頃。あの時に言ってくれれば良かったのに』
真澄はそう言って『今日は秋の好きな豆腐サラダ作ってあげる』などと笑う。
『豆腐サラダは料理じゃないだろ』
僕は微笑む。
今までそんな夢を見ようと思っても見れなかったのに。
どうしても不思議で仕方が無かった。
そして何とか部屋に雪子を入れるのを拒否しようと思えば出来たのに、何故に結果招き入れてしまったのか。
そんな僕の脳内装置が、自分でもよく理解出来ずにいた。
