「田辺君ーー明日から、お盆休みで仕事無いんだろ?
雪ちゃんやルノー兄ちゃんと“福島”に何しに行くわけ?」
次の日の朝、目が覚めると次郎は既に起き出して、テーブルで真っ赤に熟れた西瓜を食べていた。
そうなのだ。
『田辺』という呼び捨てから『田辺君』に呼び名が変わったーー。
次郎なりの“敬意”の表れなのか?
いや、小学生から君呼ばわりされると、逆に小馬鹿にされている気もする。
上司か?お前はーーー。
いつも僕に向かって次郎がペロリと出す舌の色に似た赤い西瓜を見つめながら、僕は出社スーツに着替えた。
雪ちゃんやルノー兄ちゃんと“福島”に何しに行くわけ?」
次の日の朝、目が覚めると次郎は既に起き出して、テーブルで真っ赤に熟れた西瓜を食べていた。
そうなのだ。
『田辺』という呼び捨てから『田辺君』に呼び名が変わったーー。
次郎なりの“敬意”の表れなのか?
いや、小学生から君呼ばわりされると、逆に小馬鹿にされている気もする。
上司か?お前はーーー。
いつも僕に向かって次郎がペロリと出す舌の色に似た赤い西瓜を見つめながら、僕は出社スーツに着替えた。
