紅梅サドン

僕はすでに眠りに付いているルノーの隣で、青い掛け布団を頭から被り、様々な事を想定していた。


明かりを消した暗い部屋に、僕の宛てのない溜め息だけが無常に響く。

明日、雪子がそのラガーマン旦那に『次の日に彼の元を訪れる事』を電話する予定だ。

大雨でも降って新幹線が止まってしまえ!!

僕よ、当日の朝はズバリ盲腸になれ!!

そんな虚しい願いさえも、迫り来る睡魔がゆっくりと優しく消し去って行ってくれた。