紅梅サドン

次郎は顔は笑っているが、明らかに僕を睨んでいた。

「東京にある名も知れない小さな私立大学だよ。

東京にある大学だから、略せば『東大』になるけど。何か文句ある?次郎君。」

「いえ別に。僕も勉強だけが全てだとは思いませんよ。」

臨戦態勢の僕に、何故か次郎は余裕しゃくしゃくの表情だ。

「秋さん、次郎君は勉強だけじゃなくてスポーツも万能らしいです。

クラス委員長やボランティア活動にも参加してるんだそうです。

スポーツも得意で人望もあって、本当に凄いね、次郎君。」

雪子の言葉に照れた振りをしながら、次郎は再び僕に、テーブルの陰から中指を立てた。