紅梅サドン

小柄なシスターは、その屈託無い微笑みの中に人間としての大きな器を持っている気がした。

僕なんかが逆立ちしても到底勝てない器を持っている。

僕はシスターに嘘をついた事を詫びた。

「私はルノーと次郎の親代わりですからね。その辺はお見通しですわ、フフ。

何を企んだのかは具体的には知りませんけどね。

今日は田辺さんがどんな御方なのか気になって来たのです。

ルノーは相変わらず南風みたいね、まるで。気持ち良いのよね、何かあの子。

次郎は雪子さんをとても気に入ってるみたいね。母親の様に思うのかしらね。

特に次郎はーー。
寂しさの“棘”が全身に生えてる様な子ですから。」

シスターが首に掛けた銀のロザリオが太陽にユラリと反射した。