紅梅サドン

「あのさ、秋ジイ。俺も20歳になったし、本当に次郎と二人で住む家探すよ。

今の両親にはさ、今度話す。まあ殆ど海外出張だ何だで、父さんも母さんも最近はいないけど。

帰ってきたら話す。

次郎はさ、もうすぐ夏休みだから。その間だけここに置いてやってくれよ。

菊池院長にもそう話してある。夏休みの間だけ、ここに次郎がお邪魔するって。

俺は今の家に帰る。

近いから、ここにはたまには来るけどさ。
ーー嘘ついて悪かったよ。

だから頼む、秋ジイ。頼むよーー。」

ルノーの瞳がきつく僕を縛り付けた。

その大きな茶色の瞳に、もうこれ以上は嘘は存在していない気がした。