紅梅サドン

本当の両親が死んだ時、次郎は2歳。

ーーもう少しで3歳だった。

でもオムツもまだ取れて無くて。

『ニイチャ、ジロとイッショねーー。

パパとママみたいにナイナイはヤダ。

ーーずっとイッショね』

俺のシャツの裾が引きちぎれるくらいグイグイ引っ張って、当時2歳の次郎は俺にそう言ったんだ。


でも俺それから三年後、次郎が5歳になった春に、結局俺だけ今の親の所に行ったからーー。

あの施設から出たかったし、“家族にならないか”って今の父さんに言われて。

つい、付いて行っちゃってね。

次郎はその時もう5歳だったけど、俺が何度説得しても里親の所には行かないって聞かなくて。

つまり俺は次郎との約束を破って、先に“家族”を作ったんだよ。

ーー俺が里親に連れられて施設を出る時の、次郎の顔が忘れられねんだ。」