紅梅サドン

「次郎の『兄だけでも家にしばらく置いてくれ』っていう嘘はねーー。

俺と暮らすその間に、相手を結婚する気にさせちゃおうっていう狙いがあって。

一緒にしばらく住むと、俺に対して情も湧くじゃん。

女って特に情に弱いし。ま、最後には俺の魅力にメロメロになるけどね。

そんでそのまま上手いこと結婚しちゃおうかなあって。

結婚決まったら、次郎も施設から呼んでさ。

そしたら次郎と暮らせるじゃん。」

ルノーの伏せた瞳に鈍い光が映る。

「ーー何だよ、お前が嘘ついてでも結婚したい理由って、次郎を引き取りたいからって事なのかーー?」

その問いにルノーは何も答えず、小さく微笑んだだけだった。