紅梅サドン

「俺がお前らの遠縁だってことにすりゃいんだろ。わかったよ。」

「何聞いても、だよ?。」

「何だお前、施設で何かやらかしたのか?女でも連れ込んだか?。」

「アハハ、ま、そんな所。頼むよ、秋ジイ。」

ルノーは安心した様に僕のグラスにワインを注いでいる。

その安堵した表情はまるで次郎の様に少年の眼差しをしていた。

深夜を過ぎるとシトシトと急に小雨が落ちてきた。

ジメジメした六月特有の気配が立ち込める。もう梅雨入りだ。

温い風が少し入ってくるだけの部屋で、僕等はそのまま眠りに付いてしまった。





その電話は六月の最終日に突然掛かってきた。

しかし、その電話はーーー。

ルノーが何度も僕に『念を押した理由』を改めて思い知らされる内容の電話だった。