紅梅サドン

「次郎から聞いたぞ。お前らの御両親の事ーー。
事故だったって。」

「ああ、うん。次郎が2歳で俺が14歳の時ね。もう六年も前だよ。」

「次郎の里親さんて優しい人達なんだって?それにここからその家遠くないんだろ、良かったな。」

「うん、そうだね。付け加えると秋ジイと同じ世田谷でも金持ちばっかりの地域に住んでるよ。」

「ああ、だろうな。お父さん外資系に勤めてるって言ってたしな。

俺みたいな安月給とは大違いだろ。」

ルノーは相変わらず頬を赤くして外を見ている。

「お前らの住む部屋見つかるといいな。」

僕の言葉にコクリと頷くと、ルノーは急に何故か窓際から僕の方に体を向き直した。


「ーーーあのさあ、秋ジイ、頼みがあんだ、俺。」