ーまた、君に逢えるなんてー

ー待ってて、いますぐ逢いにいくよー

ー今度は、ずっと離さないからー



チュンチュン‥

小鳥のさえずりが聞こえる。

もう朝か・・・。

「なんか変な夢だったな」

男の子が私に向かって優しく微笑みながら言う夢…。

ただの夢なのに気になってしまう。

あ、こんなことしている場合じゃない、学校行く用意しなきゃ‼

勢いおく私は部屋を飛び出していく。

下に降りて行くとそこには、

「おはよう、朱莉、朝ごはんできているよ」

「おはようお兄ちゃん、今食べるよ」

私のお兄ちゃん、隼斗が座っていた。

「早く食べよう、冷めちゃうよ」

「うん、じゃぁいただきます。」

そして私はベーコンエッグにかぶりつく。

「う~ん、おいしい‼さすがだね、お兄ちゃん!」

「おだてても、なにもでないよ。」

「だって、おいしいだもん。」

これらの朝ごはんはすべてお兄ちゃんが作ってくれてる。

私達の両親は海外に長期出張中、だから私とお兄ちゃんの二人暮らし。

最初は寂しかったけど二人で協力しあって暮らしている。

いつもの風景、変わらない日常、このまま幸せに暮らしたい反面、

違う非日常を求めている私がいる。

「今日の占い!今日の運勢は…。」

「もう、こんな時間か。私の運勢は…」


「いて座のあなたは、昔よく遊んでいた友人、大切な人に出会えるでしょう!」

「大切な人…?昔遊んでいた友人…。」

「ふふふ、朱莉、これはたかが占いだよ?そんな真剣にならなくても大丈夫だよ。」

お兄ちゃんが心配そうに訪ねてくる。

「そ、そうだよね。別に深く真剣に考えることでもないね…。」

なんだかこの占いは私の心に深く何かが残った。なんだろうこのモヤモヤ感。

何か大事なことを忘れてしまっているような…。

「ほら朱莉、早く準備しなきゃ。学校遅れちゃうよ?」

「そうだった!早く着替えて行かなくちゃ!!」