「陽菜が、ありがとうって……航には本当に感謝してるって言ってた」 「……うん」 オレは夏奈子の話を聞きながら写真を見つめる。 「航に会うと、決心が鈍るからって…… だから、会わないで行くことを許してって…… 何も話さなくてごめんねって……」 「……うん」 まるで写真の中の陽菜がしゃべってるみたいで顔が緩む。