「・・・東城くん」
そうつぶやいた瞬間、作り顔の眉がぴくりと動いた。
あたしが凛って言わなかったから怒った?
でもなんか最近避けられてるのか話してくれないし。
あたしも少し怒ってるんだから。
理由も分からず急に放置。
こんな気持ちになるのは、凛が構ってきたせいなのに・・・。
悔しい!
下唇を軽く噛みしめた。
「わっ!」
急に手首を掴まれ、引き寄せられ、凜が耳の近くで囁く。
「今日、放課後俺ん家ね。教えてほしかったら、ね」
「離して」
冷静にそう言い、胸を押して体を起こした。
「俺学年2位だったから、教えるのには何の問題もないよ?」
にこにこ作り笑いでそう言うと、どこかへ行ってしまった。
やっぱり数人の女子が睨んでた(泣)。

