「にしても朝は驚いたよ。その後も休み時間まで来たじゃん!昨日高橋くんと何かあったの!?」
今は昼休み。
ご飯食べ終わって話してると、こっちをちらっと見て立ち上がった高橋くんを見てとっさに妃菜を連れてトイレに逃げて今に至る。
「・・・分からないよ。あたし普段よりよけい地味子なのに何で?」
「まさか。昨日メガネ外した?」
「うーん、あ!放課後教室で一瞬だけ!」
「きっとその時に見られたんだよ。で、惚れちゃったんだね」
「・・・惚れるはないと思うけど。あたしかわいくないし」
「演じないんだ?」
「・・・本当にかわいかったら演じるんじゃなくて本気で言えるのにな。しばらく演じるの、やめようと思う」
何で?と聞かれ、秘密!と言ってごまかした。
最初はぶーぶー言ってたけど、少し考えてから、いつか教えてね?と言ってきたから、うん。と返事して今回は免れた。
もう勘違いはごめんだ。
さすがに、本っ当に穴に入りたいくらい恥ずかしかったから。
しばらく自分から意識的に演じるのはやめるんだ。

