−凛side−


「兄キどうゆうこと?優勝商品上げたって。俺ダメだって言ったよな?」

「まあまあ。彩華ちゃんは結局聡美のためにお前にお願いしてたんだろ?結果オーライじゃん」


「俺いつ彩華にあげるなんて言った?欲しがってる人がいるとしか言ってないはずだけど。つかあげたい奴がお互い違ってたらどうするつもりだったんだよ!」

最後は完全に怒鳴った。

「分かってたよ。最初からあげたいのは彩華ちゃんだって」


は?意味わかんね。

彩華とは、今日初めて会って知ったんじゃないのか?


「彩華ちゃんの顔は知らなかったけど、存在は知ってた」


俺の顔から悟ったのか、そう続けた。
兄キはまた口を開く。


「作戦だったんだよ」