にしても妃菜まだかなー、委員会長いよ
「あのっ!豊穣さんですよね?」
「へ?あ、はい。何か?」
誰だろう?
同じクラス・・・ではないよね?
「あの、僕と『ピリリリっ』」
彼の言葉を遮るように、あたしの携帯の音が鳴り響いた。
すぐ出なければいけない。
なぜならこの着信音は、ルリだから。
秘密をバラされる!
「ごめん!話しまた今度でいいかな?ごめんね!」
そう言って走り去りながら携帯を開いて、ボタンを押した。
「もしも「おっそい!5コールだ」」
へ?
「ひ、人と話してたから」
「知ってる。見てた」
あたしは辺りをばっと見渡したが、見当たらない。
「今から1分以内に、教室来い。過ぎたら放送すっから♪」
こんのドSめ!
「わあったわよ!行けばいんでしょ行けば!」
そう言ってぶちっと通話を切ると、ポケットに携帯を入れてとにかく走った。

