歩き出してから、一度もこっちを見ない。 怒ってるのかな? 体育館裏まで来たところでようやく足を止めた。 振り返った高橋くんの顔は、しかめっ面だった。 やっぱり怒ってるー!! 「昨日俺が話しかけようとしてたの知ってて逃げ帰ったよなあぇえ!?」 「イダダダダダダっ!」 くぅ〜、こめかみが痛い! 高橋くんやっぱりキャラ違う! 「声に出てんだけど」 すぐさま口を両手で押さえたが、時すでに遅し。 手首を掴まれ、気づけば高橋くんの胸に顔をうめていた。