「ほ、豊穣さん!聞いてたんだ・・・」
木に隠れていたのに、半回転したことにより元2人がいた方へと姿を現してしまった。
「会話は聞こえなかったよ。凛の最後の叫び声は聞こえたけど。ここへ来たのは、高橋くんに言うことがあったから。さっきはごめんね取り乱して。高橋くん悪くないのに」
「豊穣さんは、何を言おうとしてるの?もう、何も言うことないんじゃないの?」
「え、えと、さっきは勢いで言っちゃったんだけど「もういいよ!」」
高橋くんを叫ばすなんて、あたしめっちゃ怒らせてる。
でもあのままじゃ気まずいし。
でもでも、やっぱりあたしの自己満?
「あのままじゃ気まずいと思って、謝りに来た」
「さすがの俺も、もう頑張れないや。でも早く凛とくっついてくれないと、諦めるに諦めきれねーよ」
聞いたこともないくらい低く言い放つ。
あたしが言わせてるんだ。
そう思うと、何も言えなかった。
「早く行けよ!」
あたしは何も言えず、ただ走り出すことしかできなかった。
あたしは、どうすればよかったの?

