「と、ゆーわけなの」
部屋に帰ってすぐ、妃菜に喋った。
さっきの事故のことも。
「・・・事故でキスした後、フられて全速力で逃げられたら、彩華どうする?」
「・・・傷つく」
妃菜はあたしの背中を軽くつつき、行け!と顔を動かしてあたしに指示した。
「ありがとう」
後から謝るのはよけい傷つけるだけかもしれない。
謝るのはあたしのただの自己満かもしれない。
でもこのままじゃいずれにせよ気まずいままだ。
もう1度話さなきゃ。
まだ、あそこにいるかも。
帰ってきた道を辿るべく、あたしはまた部屋を出た。
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