ハテナをいっぱい浮かべていると、急に頭を掴まれ顔を上げさせられた。
「・・・昨日のがあんただったなんて・・・」
凛ファントリオの1人は頭を掴んだまま小さくつぶやいた。
「昨日?何のこと?」
「とぼけてんじゃないわよ!昨日東城くんに抱えられてたじゃない!東城くんと付き合ってないでしょうね!?」
「はあ?付き合ってるわけないじゃん」
「ちょっとかわいいからって、調子に乗らないことね。普段が地味すぎたから、ギャップでかわいいってみんな錯覚させられてるだけなんだから!」
あたしのメガネを壁に投げ捨てながらそう吐き捨てて、あたしの頭を掴んでた手を離し、くるりと真後ろを向いて歩き出そうとした。
でも、すぐ後ろにいた凛を見て、足を止めた。
顔が真っ青になっていった。
「「「東城くん・・・」」」
そのトリオのハモり具合に笑いそうになったのは内緒。
「・・・」
凛はトリオに何も言わず横を通り過ぎ、あたしの前に来た。

