塞いで凛の方を見ると、笑いをこらえていた。
「・・・何笑ってんのよ」
「別に。かわいいな〜と思っただけ」
「は、はあ?演技してんじゃないわよ!」
「これは演技じゃねーよ。思ったこと口にしただけだよ」
あたし絶対顔赤い・・・。
「だってあんた、なんか時々キャラと雰囲気変わるじゃん!でもあたしと同じで演じる癖があるって・・・それ聞いたら納得いった。凛があたしにキスしてきたときのキャラは、全部演技だったって。何でいきなりキスするのって、いつも思ってた。今も、その時と同じ雰囲気、凛から感じる」
凛は何も言わない。
あたしはウソ言ってるのに、否定しないんだ。
さっき言われたかわいい、あの言葉は凛自身からのはずなのに。
雰囲気がいつもの凛だ。
何で分かるの?と言われても、なんとなくとしか言えないけど、自信がある。
凛は、あたしより小さい頃から演技をしてきて、本当に完全に自分を見失ってるんだ。
あたしには、何ができるんだろう・・・。

