「目ぇ覚めたのか!?」
「うわっ!びっくりした〜」
凛が部屋の戸を思いきり全開に開けて、あたしの部屋にずかずか入ってきた。
「はあ、やっぱり目覚めたのか。声が聞こえた気がしたから。良かった〜、お前一体何があったんだよ」
「んー、頭に血が昇っちゃった・・・?」
「はあ?心配させるなよ!」
「ご、ごめん・・・」
怒鳴られたから、つい謝ってしまった。
「東城凛ね、実は彩華が目覚める少し前までいたの。あたしが目覚めたら呼ぶからって部屋に帰したんだけどね。最初は軽い男だと思ってたけど、彩華のこと本気みたいじゃん♪彩華も、素直になったら?顔見てるとホント分かりやすいんだから」
あたしの耳元でそう囁くと、立ち上がって、お手洗い行ってくる〜と言って出て行ってしまった。
出て行くとき、凛にも何か耳打ちした。
少しムッとした自分に驚いて、違う。
ありえない。
自分の心の中で否定した。
「何がありえないの?」
「ぅ、わあ!!」
あ、あたし声出てたの!?
慌てて口を両手で塞ぐ。

