《短》狼の中の狼



いつ車が発進してしまってもおかしくない状況の中、いつまで経っても車は発進しなかった。

光も音も届かないトランクの中、私は一人怯えていた。

すると、突然扉が開いた。

そこにはなんと、


「………悠…太…?」


傷だらけになった悠太が居た。


「真希!!大丈夫か!?何もされてないか!?怪我は!?」

「悠太……悠太ぁーっ!!」


悠太は、泣きじゃくる私を優しく抱き締めてくれた。