《短》狼の中の狼



「私嬉しかったよ。助けてくれたのが、悠太で。」

「え?」

「ありがと。」


そう言って、悠太の顔を見ようとした。でも、次の瞬間、私の視界に広がったのは、悠太の顔と部屋の天井。


「……え…?」

「あんまり可愛いこと言うなよ…。必死に我慢してたのに。」


そう呟いた悠太の顔は真っ赤で、私が初めて見る悠太の顔だった。

「悠太…?」

「ちょっとは俺の理性に気を使え。」