俺の器だけにんじん軍団に占拠されてる


桔梗は器用ににんじんだけとって俺の器にのせている

「桔梗?このにんじんはなんだ?」

「にんじん?これにんじんっていうんだー」

「にんじんっていうんだーじゃないだろ…俺の器がにんじんまみれなんが…」

「桔梗にんじんいや。だから雅來にプレゼントね」

「いやって言うな、食べろ」

「やっぱり雅來は怖い人なのだね…」

桔梗がフォークを机において席を立とうとしている

「待て、桔梗。俺は怖い人ではない。桔梗の健康のために言っているんだ」

「桔梗、にんじん食べても健康になれない。オレンジは怖い」


どうやら桔梗はにんじんの色が嫌なようだ

「目を瞑って食べてごらん」

「えー……うん」

桔梗は目を瞑ってゆっくり食べた


「雅來ー…」

桔梗の目がうるうるしている

「ど、どうした…?」

「にんじん美味しい…」


……
キター!!

『美味しい』って言った

やっぱ色か…

桔梗はオレンジに何かあるんだろうか
『怖い』って言ってたしな…


まあ
それは今はきかないでおこう


いつか…知らなければならないときがくるような気がするから…