看護婦さんや先生に見つからないように
私服で帽子を深く被って外に出る。

どうやら誰にも見つからずに済んだみたいだ。


「作戦成功ーっ」

外に出た怜桜は大はしゃぎ。

「しーっ!バレだらどうすんの!?」


「んじゃーバレないうちに行くぞ!」

そう言って怜桜はあたしの手を引いた。


久しぶりの外で思いっきり呼吸をする。

外ってこんなに清清しいものだったんだ・・・。
心成しか、身体が軽くなった気がした。


「ちょっと怜桜ー走らないでよーっ」

「走らないでいらっれかよ!?」
「久しぶりの外なんだぜっ?」


怜桜もあたしと同じ気持ちだったんだ・・・。


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夕方になり、結局やる事も無く
とぼとぼと歩く二人。

その時、向こうの方から賑やかな声が聞こえてきた。


「何かやってるのかな・・・?」

「行ってみるか?」

「うん・・・っ」


あたし達はその場所に向かった。