いきなりの展開過ぎて
頭が付いて行かない。

てか先輩、妹いたんだ・・・。

全然知らなかった。


「あぁ、ゴメン・・・急にこんな事言われても
迷惑だよね──・・・?」

「え、あ・・・そーじゃなくてッ」


言葉が上手く喉から出てこなくて
あたしは黙り込んでしまった。


「そーいや中学ん時って
あんま話さなかったよね」

「そーですね・・・はは」
「元気そうで何よりです」


笑えない口を思いっ切り吊り上げる。


「日吉こそ元気だったか?」
「あ、病院に居るって事は、誰かの見舞いか?」


─ドクンッ─


患者なんてカッコ悪くて言いたくないよ・・・!


「ま、気を付けて帰れよ?」

「はい・・・」




嘘ついちゃった・・・。


「俺、病院に顔出したらすぐに戻るし、
一緒に帰るか?」

「え・・・ッ!?」

「女の子を一人で置いて行くのもなー」


先輩は優しく微笑んだ。

でも、あたしの中に"好き"という
感情は無かったんだ──・・・。


「じゃあちょっと待ってて?」

「は、はい・・・」


好きじゃないけど、でも先輩は
あたしの中で特別な存在だ──・・・。