目を覚ますと、
そこには病室の天井が見えた。

あ・・・あたし・・・


「咲綺っ!?目が覚めたのね・・・!」
「よかったわ・・・っ」

「お母・・・さん・・・?」


あたしのベッドの横で少し
涙を浮かべたお母さんの姿。

「男の子が提げてきてくれたのよ」
「名前は確か・・・元橋さん・・・だったかしら?」


おそらく、さっきの男の子の事。
逢ったら、お礼くらい言っとこ・・・。

一応、迷惑はかえちゃったし・・・。


でも・・・邪魔もされた・・・!
あの人が居なければ、今もうここに居なかったはずなのに!


「咲綺・・・あなた屋上で何をしようと・・・」

「別に、景色を眺めてただけよ」

「そう、ならいいんだけど・・・」


お母さんはあたしを心配そうに見つめている。
自殺しようとしたなんて言える訳ない。

言ったら多分、悲しませる事になるから─・・・。


「お母さん家に荷物置いて来たから持って来るわね」

「うん・・・」


そうして、お母さんは病室を出て行った。




「美和ー!お菓子持って来てやったぞっ」

急に病室のドアが開き、元気な声が聞こえる。

「え、何・・・!?」


病室の向こうにはさっきの男の子。
驚いた様子にあたしを見ている。


「な、何でお前がここに・・・!?」

「それはこっちの台詞よ!」

「美和は?どこ?」


美和って誰の事よ・・・!?