だって、哀しくないの・・・?

怜桜にとってその子はきっと大切な子なのに。
大切な人が死んだら・・・哀しいじゃん。

あたしは、怜桜やお母さんが死んだら
哀しいよ・・・?


「だって、怜桜・・・がぁ─・・・」

「えぇっ!俺のせい!?」

「怜桜が哀しそうに笑うからぁぁー・・・ッ!!」


あたしの鳴き声は病室に響き渡った。
あたしは泣き止む事無く、わんわんと泣いていた。

怜桜はそんなあたしを宥める様に、
あやす様に頭を撫でたり背中を摩ったりしてくれた。


「ゴメ・・・ンねぇ・・・ッ」

「何で咲綺が謝んのー?」
「咲綺は何もやってねーじゃん」


その優しい言葉がもっと余計に、
涙を溢れさせた。


その零れる涙を怜桜は指で拭き取ってくれた。


「咲綺、変わったよなー」

怜桜の言っている事には驚いたが、
今は涙で何も喋れない。


「何かさー、棘棘しく無くなったよ」


と、棘・・・!?


「出逢った頃と比べて・・・」






でもね、怜桜。

それは多分、貴方が変えたんだよ?